カテキンが海外では販売中止って本当?
日本では「カテキンは身体にいい」ということで緑茶を飲んでいる方も多いですが、海外では「カテキンは危険」ということで販売自体が中止になったこともあります。
海外では、どうしてそのようなことになってしまったのでしょうか?
カナダで販売中止
2007年、カナダで高濃度茶カテキンのサプリメントの販売が中止になりました。高濃度茶カテキンのサプリメントを摂取した人が肝障害を起こしたことが販売中止に至った理由です。
アメリカでは注意書き添付
アメリカでは高濃度茶カテキンが販売中止にはなっていませんが、「肝機能障害を起こす可能性がある」と注意書きが添えられています。アメリカでは、特に空腹時に摂取すると有害な影響が出やすいといわれており、男性よりも女性の方が影響を受けやすいという報告もありました。
また、アメリカの薬局法でも高濃度茶カテキンに関して警告表示を求めています。
イタリアの研究では
2009年にイタリアで高濃度茶カテキンに関する健康被害について研究がおこなわれました。その結果、肝機能障害は高濃度茶カテキンとの因果関係がほぼ確実となり、肝機能障害を患っている人が高濃度茶カテキンの摂取を中止したことで85%の人が症状が改善したという研究結果が出ています。
日本の「ヘルシア緑茶」も海外で販売中止に
フランスやスペインでは、トクホで有名な「ヘルシア緑茶」が販売禁止になっています。なぜかというと、ヘルシア緑茶には1本あたりカテキンが約600mg含まれているのですが、このカテキンの量が海外で販売されていた高濃度茶カテキンサプリメントと同じ量だったからです。
実際にサプリメントが販売されてから4年間の間に13件の肝機能障害が報告されています。なかには脳症を発症し肝臓移植が必要になったケースもありました。
しかし日本でヘルシア緑茶を飲んで健康被害が出たという話は聞きません。これは緑茶として摂取したか、サプリメントとして化学物質を使用して凝縮されたものを摂取したか・・・という点が異なっているため、と考えられています。
カテキン茶の何がいけなかったの?
カテキンが海外で販売中止になった事例をいくつか挙げてみましたが、実際にカテキンに含まれる成分のなにがいけなかったのでしょうか?その原因を探ってみましょう。
原因は「高濃度茶カテキン」に含まれるカフェイン?
先ほどいくつかの事例をご紹介しましたが、問題となっている成分は「カテキン」のなかでも濃度が高いカテキン「高濃度茶カテキン」です。
高濃度茶カテキンも一般的なカテキンと同じように、ダイエット効果や美容効果、殺菌作用、活性酸素を除去してくる働きなどがあります。ペットボトル飲料で比較すると、一般的な緑茶と比べて高濃度茶カテキンの緑茶はカテキンの量が3~4倍多くなっています。
高濃度茶カテキンのなかのどの成分が肝機能障害に直結するのか、その因果関係は未だ明らかになっていません。しかし、「カフェインが関係しているのでは?」という声もあるようです。
お茶にはカテキンのほかにカフェインも含まれています。カテキンが高濃度になると、カフェインも高濃度になるのです。
カフェインを過剰摂取すると、睡眠障害を起こしたり、胃腸が荒れたりすることは皆さんご存知のことかと思います。
カフェインは体内に吸収されると肝臓で代謝されるため、カフェインを大量に摂取すると肝臓に負担がかかってしまうのです。
とはいえ、カフェインを全く摂取しない人と毎日コーヒーやお茶などを1杯飲む人の肝臓がん発生率を調べると、毎日1杯飲む人の方が発生率が低いというデータもありますので、「カフェインが害である」とは言い切れません。
適量なら問題なし
ここまでの話から、茶カテキンもカフェインも適量を摂取していれば健康に問題がないことがお分かりいただけたと思います。朝昼晩、食事のときにお茶を飲むくらいなら全く問題はありません。