カテキンの副作用について
2007年1月にカテキンサプリを常用していたカナダ人女性(42)が肝機能障害により移植を与儀なくされたという副作用に関するニュースが世界的に話題となりました。
この女性は家庭でノミ、ダニスプレーや避妊目的でホルモン注射を行っていたことなどから、この副作用のような体調悪化がカテキンによるものかどうかは証明されていません。
しかしながら、以来このカテキンの副作用に関する話題は日本国内だけでなく、世界的にもとても注目されてしまっています。
カテキンは日本人に馴染み深い緑茶に多く含まれている成分。
ダイエット、健康に高い効果を発揮することからメタボリックシンドロームの改善に良いと期待されていた成分です。
しかし、副作用が出てしまい、却って健康に悪影響を及ぼしてしまうとなれば、そんなもの飲みたくはないですよね。
そこでこのページでは、健康に良いとされているカテキンが本当に副作用をもたらす成分なのか、様々な各国政府機関の運営するサイトや情報収集を行った結果、分かったことについてご紹介していきたいと思います。
※このページで記載している情報はあくまで当サイトの行った情報収集に基づく独自の見解です。
カテキンサプリの服用については各人の判断で行ってください。
カテキンの情報が網羅されている参考リンク
カナダ保険省WEBサイト(英語)
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/medeff/bulletin/carn-bcei_v17n1-eng.php
日本 国立健康栄養研究所(日本語)
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail861.html
肝臓機能低下の恐れアリ?海外の事例から分析
上述した通り、2007年にカナダで起きた、カテキンの副作用の可能性がある体調不良事件。
その女性は腹部の不快感と黄疸症状を訴え、病院に入院。
入院後もさらなる症状の悪化が認められたため、肝臓の移植を与儀なくされてしまったというのがこの事件の詳細です。
この女性はダイエットを目的として6か月の間、カテキンをサプリを使い一日約600mg摂取していたそうです。(因みにカナダでは承認されていないサプリでした。)
しかしながら同時期に、肝臓に負担のかかる可能性のある行動をこの女性は複数取っていたため、要因の特定へは至ることができませんでした。(例:避妊目的のホルモン注射やノミ、ダニスプレーの屋内使用)
カテキンサプリのように緑茶の抽出物を利用した製品は日本でも数多く販売されています。
ただし、現時点ではカテキンサプリを飲用した結果、肝機能に異常をもたらしたという副作用は国内では報告されていません。
このカナダ人女性の体調不良は一体なにが原因でもたらされたのか?
日本国政府が運営する国立健康栄養研究所の資料を確認したところ、それは以下の4つの可能性が考えられることが分かりました。
- このメーカーが販売していた、カテキンサプリに有害な物質が混入してしまっていた(細菌や重金属など)
- 利用方法に問題があった
- 病気など体質に問題があった
- 併用していた医薬品との相互反応(ホルモン注射との相互反応が起きてしまった)
簡単に上記内容をまとめると、この女性の飲んでいたサプリは品質が悪く、不純物が含まれていたことが原因で副作用が起きてしまった可能性があります。
また、カテキンサプリ自体に問題がなくとも利用方法や体質に問題があった可能性や、医薬品との併用に問題があった可能性があるそうです。
カテキンによる副作用の対策方法
上記のような想定される要因から以下のような対策方法が考えられます。
①サプリを飲用する場合は、信頼性の高いサプリを選ぶ
メーカーによっては、確かにカテキンを多く配合していてもその製造過程で不純物を混入させてしまうケースもないとは言い切れません。
日本国内で販売されているカテキンサプリのほとんどは信用に足るものだと思いますが、きちんと口コミや評価、販売元などを確認し、サプリの配合物質に問題がないことを確認しましょう。
②摂取目安をしっかりと守り飲用する
実はカテキンには摂取上限量は規定されていません。
ただし、カテキンの一日摂取目安は1,000mgと言われていて、煎茶に換算すると約10杯分となります。
静岡のお茶農家の方々は一日に平均して15杯以上飲むという習慣もあるようですが、通常の日本人の方であれば一日に10杯程度に抑えた方が賢明かもしれません。
カテキンがどんなに身体によい成分でもそれだけを摂取し続けてしまうと、バランスが悪くなり体調は悪化してしまいます。
副作用を避けるためには、しっかりと目安を守り、飲用することを意識しましょう。
③自分の健康状態と相談する
カテキンの一日の摂取目安は1,000mgではありますが、子供やお年寄り、体調不良の方には効果が出すぎてしまう可能性もあります。
いきなり肝機能が低下してしまう可能性はほとんど無いですが、身体に少しでも違和感、副作用が出た場合、飲用を中止し、様子を見ることを忘れずに行いましょう。
④内臓に負担のかかる医薬品を飲用している場合は過度な摂取を控える
ホルモン薬など内臓に負担のかかる医薬品を飲用していると栄養素が分解できず、肝臓に毒素が貯まっていってしまう可能性があります。
副作用などの悪影響が出る可能性は非常に低いと思われますが、体調に違和感を感じた場合は即刻摂取を中止しましょう。
吐き気が起きたという口コミは本当か?
またカテキンの副作用について調べていると、Q&Aサイトや口コミ掲示板などに「吐き気がおきた」という不安の声が寄せられていました。
それらの疑問をまとめると以下の通りです。
- カテキンを緑茶で摂取したら吐き気の副作用がおきた
- 緑茶を飲んで吐き気がおきるのは副作用?
- 高濃度茶カテキンを使った製品を飲用したら副作用がおきた
このように、カテキン配合のお茶を飲んだ直後に吐き気がおきてしまったという声が多数寄せられていました。
本当にカテキンには吐き気をもたらす副作用があるのでしょうか?
実はこれは、カテキンの影響ではなく「カフェイン」のせいなんです。
カフェインには摂取目安量や致死量が存在します。
例えば、体重が50kgの成人男性の場合、3時間以内に850mgのカフェインを摂取すると副作用が出てしまい、カフェイン中毒になってしまいます。
また、その人が10,000mg、つまりたった10gのカフェインを集中摂取することで致死量となってしまうリスクが非常に高くなります。
もちろん体調や体質によって量に変動はありますが、カテキンと違い、カフェインの大幅摂取は人体にとって確実に毒。
また中毒にならずとも、カフェインの量が250mg~300mgを超えると副作用が出てしまうリスクがあります。
煎茶には一杯あたり約30mgのカフェインが含有されていますので、一日の摂取目安1000mgを煎茶(10杯分)で摂取すると、カフェインによる副作用が出てしまうリスクがとても高くなってしまうのです。
下痢、便秘はカテキンの副作用なのか?
吐き気と同様に下痢、便秘の副作用が出たという投稿もありました。
これもカフェインによる副作用の可能性が非常に高いです。
カフェインを摂取すると胃酸の分泌が過剰になります。
胃の粘膜が荒れるため、胃腸の活動が弱まり下痢の原因となってしまうのです。
その他に、カフェインの過剰摂取では下記のような副作用が起こる可能性があります。
- 自律神経の低下
- 不眠症、睡眠障害
- 血液の代謝の低下
- 免疫、体力、疲労回復の低下
まとめと対策法
副作用を出さず、カテキンを摂取するには下記の3点が非常に重要です。
- 品質の良いカテキンを選ぶ
- 過剰摂取を控える
- カフェインの量を調節する
品質の良いカテキンで過剰摂取を控えつつ、カフェインの量を調節していけば、まず副作用が起きることはありません。
カテキンはとても素晴らしい効果を持つ成分ですので、しっかりと付き合い方を理解した上で摂取していきましょう。
ただし、市販されている煎茶では、良質なカテキンの摂取やカフェインの量を調節することは非常に難しいです。
煎茶にしてしまうと、どうしてもカフェインが混入してしまいますし、ペットボトルで販売しているような製造方法だと良質なカテキンは死滅してしまいます。
そんなときにはカテキンサプリがおすすめ。
サプリで摂取することでカフェインの量も抑えられますし、良質なカテキンを鮮度を保ち摂取することが可能なのです。
詳しくはこちらのカテキンサプリのページで解説していますので、参考にしてみてください。