マコモ(真菰)は水辺に生息する多年草の植物であると同時に、食物でもあります。 たびたび神話や昔話にも登場し、万葉集では”神の草”とも呼ばれる不思議な植物ですが、いったいなぜそのように古来から注目されていたのか?
今日はマコモの効能についてご紹介します!
マコモの健康成分とその効能について
マコモの成分分析により、近年新たな有効成分が発見されています。
現代の食生活では不足しがちな栄養素の食物繊維、ビタミン、葉緑素、ミネラル等がマコモに多く含まれ、
- 免疫力や抵抗力を高める。
- 血圧や血糖値の上昇を抑制する
- 消化器官の運動を促進する
- 腸内善玉菌を増やし慢性疾患を予防する。
といった効果があり、現代人の病気や悩みに役立つ成分がいっぱい詰まった植物なのです。マコモは機能性食品としてますます注目を集めていくでしょう。
さて日本は米の文化ですが、マコモもイネ科の植物であり、昔はマコモの実も収穫して食べていました。葉の部分は煎じてお茶に、茎もマコモダケとして炒めものに最適です。そう、マコモは葉、茎、実に至るまで様々な食べ方が可能です。ぜひクックパッドのマコモダケのレシピをチェックしてみてください。
マコモの茎+菌=マコモダケ
マコモダケとは、黒穂菌と言う耐熱菌がマコモの茎に寄生して夏過ぎに黒穂菌の影響で根元部分が肥大化し、太くなった部分のことです。菌と聞いて「安全なの?」と思われるかもしれませんが、人体に害はなく、食べられます。むしろマコモ菌はその代謝物質に強力なデトックス効果があります。
マコモのレシピと食べ方
マコモダケはあっさりして食べやすく、味噌汁の具にしても良いし、単に炒めても美味しいです。また、パスタの具に最高です。中国では高級食材でよく使われます。
アメリカにもマコモの近縁種のアメリカマコモが有ります。タネを食べる習慣があり、インディアンは古くから主食にしていました。ワイルドライスと呼ばれ北アメリカ大陸で今でも各地で栽培が行われています。マコモは日本だけでなく、世界中で健康食として親しまれているのです。
マクロビオティックの専門家、若杉友子さんのマコモのお話
食養の本を沢山書いてる若杉ばあちゃんの話です。沼や池で傷を負ったフナやコイが、マコモに傷口を押し付けて擦っている風景が見られるそうです。傷口をマコモで癒やしているのですね。白鳥など渡り鳥も長旅痛んだ身体をマコモに当てて治療しているという話を聞きます。にわかには信じがたいお話なのですが、「マコモが自然治癒力を高める」ということは日本古来の歴史のなかでは良く知られた事実だったようです。
以下の章で詳しくご紹介します。
昔話に登場するマコモ
「因幡の白兎」は有名なむかし話ですが、神様が白兎の怪我を治すために「マコモを敷き詰めた上に寝かせて治療する場面」があります。痛んだ身体をマコモの上に寝かせる事で、自然治癒力を高めたと言われる描写です。また、お釈迦様は病人をマコモの上に寝かせて治療をしていたとも伝えられています。マコモの葉を入れたマコモ風呂も有名ですね。
また、お祓いとしてもマコモは活躍します。昔はお盆のお供えや位牌をマコモで編んだスダレのような物の上に乗せ、お墓にお供えしたのだそうです。いかにマコモが日本古来の歴史から「邪を祓う」という役割を担ってきたかが分かります。
ドクダミなども貼ったり、お茶にして飲んだりマコモと似たような使い方をしていますね。
昔の人はマコモやドクダミなど、優れた効能や効果がある身近なものを生活に取り入れて生活をしていたのですね。
マコモ茶でマコモの力を体感してみよう!
マコモは健康成分に優れた不思議な植物ですが、マコモダケの菌に抵抗を感じる方もいるかもしれません。(筆者は好きなのでマコモダケパスタをよく食べますが)
抵抗を感じる方は、マコモの葉を煎じた「マコモ茶」でマコモの力を体感してみてはいかがでしょうか?
特にオーガニックのマコモを収穫して作られたマコモ茶のリーフが安全で健康効果を期待できるでしょう。